古典の日 2018

2018/11/01

おさらい

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今日11月1日は「古典の日」です。

それまでもこの日を古典の日として行事が行われてきましたが、2012年には「古典の日」法が成立し、ニッポンの「古典の日」となりました。

「古典の日」とは国民が文学や音楽、美術などの古典に親しむ日です。
R0013179 京都御所 束帯・十二単
R0013179 京都御所 束帯・十二単 / tosimisi





せっかくなので、本棚から古典の本をひっぱり出して読むのも面白いですね。
そんな「古典」の中から漆喰を探して有名なのが、ルイス・フロイスの「日本史」に引用された書簡です。
基督教国に於て見たること無き甚だ白く光沢ある壁を塗りたり。
壁の此の如く白きは石灰に砂を混ぜず、甚だ白き特製の紙を混ずるが故なり。

家及び塔は予が嘗て見たる中の最も良き瓦の種々の形あり又二指の厚さありて真黒なるものを似て覆へり。此の如き瓦は一度葺けば四五百年も更新する必要なし。

予は六七百年の寺院の多数に於て之を見たり。此の別荘地に入りて街路を歩行すれば其の清潔にして白きこと、恰も当日落城せしものゝ如く、天国に入りたるの感あり。外より此城を見れば甚だ心地好く、世界の大部分に此の如き美麗なる物ありと思はれず。

入りて其宮殿を見るに人の造りたる物とは思はれず、之に付記述せんには紙二帖を要すべし。宮殿は悉く杉にて造り其匂は中に入る者を喜ばせ、又幅一プラサの緑は皆一枚板なり。壁は悉く昔の歴史を写し、絵を除き地は悉く金なり。柱は上下約一パレモを真鍮にて巻き、又悉く金を塗り、彫刻を施して金の如く見ゆ。柱の中央には美麗なる大薔薇あり、室の内側は一枚板の如く見え、甚だ接近するも接目を認むること能はず。又地に多く技巧を用ひあれども予は之を説明すること能はず。

此等宮殿の多くの建物の中に他に比し更に精巧なる室あり。奥行及び幅四プラザ半にして黄色なる木材を用ふ、甚だ美麗にして心地好き波紋あり。此木材は加工甚だ好く清浄なる鏡に似たり、然れども此は木材の光沢にあらず一種の漆ならんと思はれたり。

庭園及び宮庭の樹木は甚だ美麗なりといふの外なし。

予は都に於て美麗なるものを多く見たれども殆ど之と比すべからず。世界中此城の如く善且美なるものはあらざるべしと考えふ。故に日本全国より只之を見んが為来る者多し。

– ルイス・デ・アルメイダの書簡 (wikipediaより)
外国から見た、日本の漆喰について有名なものです。1565年10月25日に宣教師ルイス・デ・アルメイダによって書かれたこの書簡、松永久秀の家臣の招待を受けて城の見学をした時のものとされています。

「古典」というと学校の国語の授業がどうしてもアタマをよぎります。暗唱やテストなどで苦しんだ方も多いことでしょう。なので苦手意識を持つ方が多いようです。

ですが、古典の日は古典を学ぶのではなく親しむ日。
昔の漆喰がどういうものであったか?読むだけでも面白いですね。

「古典の日」がとても良い日になると嬉しいです。