ワラも貴重な伝統素材

2018/08/22

おさらい

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沖縄の伝統行事と言えば夏はエイサー。そして、そろそろ各都市で綱引きが始まる頃です。エイサーも素晴らしいですが、綱引きは圧巻。大きな大きな綱を大勢で引っ張り合うんです。最大のモノは那覇市の大綱挽き。世界最大。ギネスブックを飾る大綱は40トンを超える超弩級。

写真;那覇市



那覇市のものは観光の色が強いですが、とにかく沖縄の方々は綱引きがお好きですね。

沖縄県の各地で開催される綱引き。100か所以上で行われているとのことですが、観光のために紹介されているのは、上の写真の那覇のほか、真喜志、真栄里、糸満、そして与那原。 とにかく一度は生で見ていただきたい、私も大好きな伝統行事です。

 …と、それだけで終われないのがこのブログ。

これが大綱を作るための綱。ワラで出来ています。
この綱、要らなくなったらどうしているか、ご存知ですか?


沖縄で大綱に用いられたワラの一部は、こうやって…漆喰の原料として使われているんです。

生石灰と水、そしてワラから出来るのがムチと呼ばれる琉球漆喰。


守礼門にも、首里城にも使われている沖縄の伝統素材の原料になるんです。
綱としても、原料としても、伝統を守るために大切な素材なんですね。


ちなみにワラは稲穂からです。こうやって稲架掛け(=はさかけ。または稲木干し等と呼びますね)して、天日にあててゆっくり干した稲穂を脱穀したあとに、残るのがワラ。

でもこれがなかなか手に入らないんです。


多くの田圃ではコンバインで稲刈りをしながら、その場で脱穀まで。
ワラはその最中に細かく刻まれて田に撒かれるんです。
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Kubota ニューエアロスター ARN690 / kawanet

だから、「天日干し」のお米って手に入りにくいんですね。

それと同じくらい貴重な素材となったのがワラ。
漆喰では琉球漆喰のほか、土佐漆喰などの原料として大切に使われています。