梅雨時期は藻やカビの相談が増える

2018/05/31

伝統素材

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各地で梅雨入り。
この時期から「漆喰に生えるカビ」についてのご相談が増えてきます。

漆喰にはどうしても北面や植栽に接近した壁面には、カビや藻が繁茂してしまうんです。
では今日もそのことについておさらいしましょうね。



Q.漆喰にはカビが生えますか?

A.生えますよ。

ただし、条件があります。
漆喰の主成分は消石灰。石灰にカビが生えることは、まずありません。問題は藻やカビの発生条件。空気と水と土です。
 0.空気が無いところはありませんから論外。
 1.漆喰の表面に土埃がのる(畑が出来る)
 2.漆喰はたっぷり水を吸い、畑に水が供給される

空気中を漂う藻やカビの胞子が畑に舞い降りると… 藻やカビの発生です。一度生え始めると、死んだ藻やカビが畑に変わり更に更に生育が進みます。水を弾くはずのタイルや窓ガラスに生えてしまうのと同じメカニズムです。

要はきっかけですね。 写真は施工後半年で発生した黒カビ。


指先に見えるシミにようなモノが生え始めの黒カビです。ルーペで拡大するとこんな姿が。


表面に出来てしまったひび割れが畑になったようです。
また、植物には酸性またはアルカリ性に対する適合がありますが、黒カビはアルカリが好きなんですかね?

では藻やカビ対策をどうするか?

1)漆喰にあまり雨があたらないように建物を設計する。
  (構造を工夫するか、雨のあたりやすいところに塗らない)

2)パターン仕上げなどにしない。できるだけ平滑に。
  (これは漆喰に限らず、ペンキでも一緒。)

3)生えた姿を風情として楽しむ。
  汚れもまた味わい。(古刹などはそうでしょう!?)

4)どうしても落としたいときは水周り掃除と一緒。
  次亜塩素酸系のカ○キラー、ハ○ターなどで根こそぎ。
  あまり固いものでこすらないこと。表面が荒れて更に生えやすくなります。

また、新築して数カ月の方から同様の相談。

  「畳にカビが生えたんだけど…」

  生えますよ!

防かび剤などを使っていない証拠。

毎日、空気を入れ替えて、空拭きするなど、気を付けてもちょっとしたことで新しい畳には必ずカビが生えます。

でも、ちゃんと拭きとれば大丈夫。それが自然の姿なのです。