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初夏の花と アブラのお話

初夏に咲くこの花、なんという花かご存知ですか?


何の花だかワタシも知らなかったんですが…桐の花です。



ん?花札の桐は12月だぞ??という方もいるでしょうね。
ところが「ピンからキリ」の言葉通り、年末という意味で「キリ」=桐ということのようですよ。
Hanafuda 花札 05
Hanafuda 花札 05 / 準建築人手札網站 Forgemind ArchiMedia


さて、一般的に桐といえば?

 箪笥(たんす)や下駄(げた)や琴(こと)などに使われる木ですね。
 また、桐油なども…

というのがカンチガイ。桐油はこの桐から採れる油ではないんです。

では、油を採る木は…「シナアブラギリ」といいます。

 「油桐」…そうです。桐油を採る木です。

桐油というと、木材の桐から採ったものと皆さん思っていませんか?
じつは油を採るのはアブラギリという植物の種から採るのです。

ちなみに
 キリはゴマノハグサ目ゴマノハグサ科
 アブラギリはトウダイグサ目トウダイグサ科
まったく違う種類なのです。

アブラギリは西日本、そして中国に自生しています。国内の桐油の産地は若狭が有名でしたが、現在流通しているほとんどが安価な中国からの輸入品などのようです。

桐油は「塗料」としての用途が多かったようですね。
塗って乾く(酸化する)と油膜を形成します。古くから家具の保護塗料として、雨傘や雨合羽に塗って撥水効果を与え顔料を加えて絵の具にもされていました。

また、地域によっては漆喰にも混ぜられていました。

そのほか漆喰に使われてきた油の種類をもう一度おさらい。
菜種油  
食用でも有名ですね。
最も多用されている漆喰油です。
桐油 
紹介した通り、桐ではなく、「油桐」の実から採った油。
今でも伝統工芸では珍重されていますね。
江戸期あたりからの利用だそうです。
漆喰では島根や鳥取などを中心に。
荏油 

荏胡麻油

荏胡麻の種から採った油。
歴史的には、菜種油が使われるようになるまでは、
この油が食用油だったそうです。
韓国焼肉のお店で葉っぱが出てきますね。
亜麻仁
♪亜麻色の長い髪…で知られる亜麻の種から採取したもの。
油絵の具にも使われていますね。
亜麻の茎の繊維は麻製品として使われています。
亜麻は明治の北海道開拓から栽培が始まりました。
魚油
名前の通り、動物由来の油。
イワシなど、青魚を煮詰めて採っていたそうです。
漁村で多用されていたようです。(ワタシの地元もそうです。)
鯨油
クジラから採った油。外国が行っていた捕鯨の目的も油でした。
ペリーさんの黒船来航時に開港させられた表向きの目的も
捕鯨船の給油のためでしたよね?
今ではかなり入手が難しくなっていますが…。

昔からある材料、比較的新しい材料も多いです。
「油」といっても多種多様あるのです。