潮干狩りと漆喰

2018/04/19

伝統素材

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連休は海へ山へ行楽に。 海辺ならしばらくはコレですね。


潮干狩り。アサリなどの貝を採るんです。


というわけで、今日は貝のお話から。


それは最古の漆喰といえるのか?

千葉県千葉市の遺跡で最古の漆喰が見つかったと報じられたのは2011年3月のこと。
4千年前の遺跡。中国やエジプトに迫る古さです。同市緑区の大膳野南貝塚で見つかったこの漆喰、当初は細かく砕いた貝を水で練って敷き詰められたもの…とのことでした。

焼いていないのでは漆喰と呼べるのかどうか?

個人的な意見ですが、貝や石灰岩を852℃以上の高温で焼成して生石灰をつくることが出来てこそ、漆喰へと加工できたと考えるべきかと思います。
ジャンボホタテ貝焼き
ジャンボホタテ貝焼き / nikunoki


現在しっかりとした定義があるわけではないのですが、漆喰とは、水で練られた消石灰(水酸化カルシウム)が炭酸ガス(CO2)と反応して硬化するもの。と考えられています。

実際に貝殻を焼けば酸化カルシウムとなります。それが水と反応すれば立派に消石灰になるんです。現在でも文化財の修復などに「貝灰」として用いられています。

貝塚。遺跡は意外なことに役立っていた?

さて、古代の貝といえば「貝塚(かいづか)」。 …ご存知ですよね?

平たく言えば、海辺で生活していた古代人のゴミ捨て場です。食用に採った貝の殻が大量に捨てられたところが、現代になってゴミ捨て場遺跡になって現れたわけです。(…小学校の社会の授業で習いましたよね? )

昔は貝塚から出た貝の化石を焼いて石灰を作っていた…なんて話も関東を中心に残っています。
R0014149.JPG 上高津貝塚
R0014149.JPG 上高津貝塚 / tosimisi


既にスーパーの鮮魚コーナーには、アサリが並んでいますね。


数万年、時空を超えたリサイクル。
そう考えながら、今日は貝と古代ロマンをおつまみに一杯、いかがでしょうか?
焼き大あさり (grilled Japanese littleneck Manila clam)
焼き大あさり (grilled Japanese littleneck Manila clam) / norio_nomura