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2017/07/16

「素材としての漆喰」についての大事なオハナシ

「素材としての漆喰」についての大事なオハナシをさせていただきます。
何よりも「漆喰は天然素材、自然素材である」ということが揺らぐお話です。



漆喰はもともと3つの原料と水で作られます。

主原料となるのは石灰
そこに麻の繊維海藻から出る糊分を加えて出来上がります。





漆喰は、実はその成分のほとんどが石灰。
麻と海藻は補助材料なのですが…

さらに補助材料が加えられているのが「現代の漆喰」と言えるでしょう。

漆喰に限らず、「天然」「自然」が強調されている製品、多いですよね?!

ところが成分を調べてみると…
原料が天然素材を加工して出来ているから、天然素材…????

そのほかにも「天然由来」「自然由来成分」などというコトバが使われています。
日本語ってとても便利なコトバです。

分からなかった方にはもう少し。
では天然の調味料と「化学調味料」で考えましょう。
天然…はお分かりですね。かつお節とか昆布とかイリコとか。


化学調味料は、今では「うま味調味料」と呼び名が変わりましたね。
もっとも有名なアレも含め、その多くはサトウキビの加工物由来なのですが…

 それは「天然素材」と呼べますか?


左官材料で言えば海藻のりの補助材料、代替材料として多用されているのが
メチルセルロースの類。紙の原料としても知られるパルプから作られます。
食用として使われているものもあるようですが、結局それは調味料と同じ状況ではないでしょうか?

 その漆喰、天然素材と・・・

少なくとも私は呼びません。
あとは各自の判断ですね。

ただし、だからといって体に悪い!というわけではないのです。

食べ物だってそうでしょう?
調味料が入っているほうが美味しく感じる人も居るんですものね。


さらに申し上げるなら…石灰。
これって自然から採り出した石灰岩を、砕いて焼いて、水と反応させて、また砕いて…

残念ながら、自然の姿そのままでは漆喰にすることは出来ませんね。