清水の舞台から
思い切って何かをやるときのコトバで「清水の舞台から飛び降りる」の清水寺(きよみずでら)さん。京都を代表する観光名所の一つですね。先だって行われた平成の大修復では、1633年以来、400年近くの長きにわたり舞台と本堂を支えてきた、欅(けやき)の78本の柱のうち12本が修復を余儀なくされたんです。
原因は白アリと腐朽菌。
1000年を越えて使われる素材である「木材」。その弱点はこの2つなのです。
アリを予防し、腐朽菌の繁殖を抑えるには、通風が良く、乾燥しやすいを環境にあること…ということくらいしか無いのですが(防腐剤などは使いたくないですよね?!)、構造上いたしかたないこともあります。
腐った柱や虫食いの柱を再生させる伝統技術
じゃあ、傷んだ12本の柱、どうするのかというと?傷んだ部分だけ換えればよいのです。
なにも全て新しくする必要はありません。
それが我が国の伝統素材を支えてきた大工さんの技術。「継ぎ」です。
たとえ構造部材であっても、ちゃんと「部分交換」で使える素材。
それこそが伝統素材と呼ばれる由縁かもしれませんね。
それでもまた何百年先には修繕が必要な部分が出るでしょう。
だから、清水さんは山を買って、木を植えているそうですよ。
2013/7/6 日経新聞
http://www.nikkei.com/article/DGXNASIH28005_Y3A620C1AA2P00/
未来の修復工事のため。素晴らしいですよね。