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2017/05/18

漆喰の汚れ。理屈が分かれば汚れても安心?

実際、住まいの塗り替え工事を行う動機となるのは、耐久性が落ちたからではなく、汚れてきたからというものが少なくありません。「劣化」という言葉の定義については諸説ありますが、劣化の中でも「メンテナンス」の契機となるのがこの汚染なんです。

と、いう今日は漆喰の汚れについてです。




漆喰はなぜ汚れるか?

まずは汚れた漆喰の写真。


しっかり汚れていますね。

その汚れた表面をもっと良く見てみましょう。


さらに拡大。


分かりますかね?微細なひび割れが無数に生じています。

漆喰の下地は土、コンクリート、せっこうボードなど様々ですが…

 建物自体の挙動、下地の挙動、収縮して固まり続ける漆喰。
 それらの「動き」が長い年月をかけて、ひび割れとして表面に現れたものです。

そのひび割れに埃が乗っかり、「汚れが付着」した状態になるわけです。


汚れた漆喰はどうなるか?


漆喰に汚れは付着しますが、雨が当たる部分は雨水によって流されます。


上の写真はそれが良くわかるもの。

 1)軒の下には雨が当たらないので汚れたまま。
 2)その下の白い部分は雨でキレイになっているところ。
 3)そして、その下の石垣は漆喰自体の表面も流され、
  石垣に石灰が付着していますね。
  建物の出っ張りで石垣には雨が当たっていないのです。

当然漆喰は水をたっぷりと吸い込み、内部へと浸透しています。
だからこそ、数十年おきに表面の漆喰や下地の土からの補修工事が必要になるのです。

何度も言いますが、漆喰は何百年もノーメンテナンスではありません。

傷んだ部分を削り落とし、また塗り直されます。
それでキレイな姿を取り戻すのです。

これが塗料(ペンキ)だとどうでしょう?
近年、超親水だとか、セルフクリーニングだとか、光触媒だとか…。
でも建物の汚れ方は一緒。そして何十年も耐用できない。

ハウスメーカーは10~15年くらいで外壁の塗り替えを推奨しているでしょう?
自分で水をかけて洗わない限り、必ず汚れる部分が出てきます。
それを証拠に、窓ガラス、外側を時折拭いてやらないといけませんよね?

 「この世に汚れないものはない」

住まいに長く守ってもらうには、ちゃんとお手入れが必要なのです。