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年末年始の漆喰のおさらい その3

大事な原料。「手間をかける」というでしょう?
様々な方のを経て、時をかけて出来上がるのが手間のかかった素材、伝統素材です。

今日のおさらいはその中から「すさ」です。 



すさは漢字でくさかんむりに切と書きます。


他に「寸紗」などと書かれることもあるようですね。
どういったものかと云うと…


こんなカンジ。
わかりやすく言うなら植物の繊維を細かく切り刻んだものです。

水で練られた石灰の中に植物繊維がつなぎ役として働くことで、収縮や外力から発生するひび割れを防ぎます。また、すさの硬さや長さによっては作業性も良くなります。繊維の層が出来れば保水効果もありますね。

どうにもイメージできない方はお好み焼きを想像してみてください。小麦粉の生地だけよりも、キャベツや焼きそばが入ることで切れにくくなりますよね。ボリュームも出ますけど(笑)


さて、もう一度漆喰の「すさ」。麻が原料ならば「麻すさ」、ワラであれば「わらすさ」。紙を使うときは「紙すさ」など、その原料の名をとって呼称されます。

様々な繊維が使われる中、漆喰に最も多く用いられてきたのは「麻」。とくに古来より使われてきた品種のものは、強くてしなやか。そして主原料である石灰のアルカリにも強い。建築材料としてもうってつけの素材なわけです。

が、ご注意…。現在は様々な素材が流通しています。水やアルカリに弱いものも売られていますから…そんなスサを使った漆喰を練って置いておくと…ほらほら、溶けてます。これじゃ入れた意味がないですね。


また、すさとして使われることが多い「麻すさ」には様々なものがあります。
本すさ  
大麻を使ったすさです。本麻すさとも。「大麻」の名の通り、ほぼ入手は不可能です。漆喰のすさとして最高級とされている生濱すさ(きはますさ)もこの素材です。原料が原料ですので、文化財などで使われているだけです。

南京すさ 
南京袋を洗浄してリサイクルされたすさです。中塗りなどの下地や屋根漆喰に使われています。「南京袋」は南京豆(落花生)の袋。江戸初期には中国から輸入されていました。だから、結構歴史の古い素材なのです。

晒しすさ 
サラシスサ。国内の「麻すさ」のほとんどがコレです。名前の通り、南京袋を漂白洗浄してリサイクルされたすさです。原料となるのはジュート(黄麻・綱麻)やケナフ。

白毛すさ 
現在、原料はほとんどがサイザル麻のようです。サイザル麻は麻ではなく竜舌蘭という種類の植物。あまり水には強くありません。中塗りなどの下地や屋根漆喰に使われています。

マニラすさ
フィリピンの首都の名の通り、フィリピン原産の芭蕉の仲間です。軽くて強い繊維であるため、船のロープとして使われ、そのリサイクル品として流通されていましたが、 現在はほぼ入手不能です。なお一般にマニラとして売られているものの中身は、 ほとんどがサイザル麻です。マニラ麻(アバカ)は国外持ち出しが制限されていますから。

白雪すさ 
過去はともかくとして、「白雪」は商品名です。東日本、西日本それぞれで、それぞれの白雪が流通しています。原料素材はジュートやケナフですね。ですから、一般名称としては晒しすさに該当します。


すさは、漆喰にとっては絶対に必要な素材です。

ですが、伝統技法を守る「すさ職人」さんは、現代では数少なくなってしまいました。
しかし、その方たちの頑張りで、今も大切な国の宝が守られているわけです。