「蔓」。読めますか? 読めないくらい、最近は身近な素材ではないということですね。

2015/02/21

伝統素材

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左官材料以外の伝統素材についてもご紹介しましょうね。

 蔓(かずら)です。

「蔓」と書いて「つる」と読むように、蔓草(つるくさ)のことを指します。
古来、自然に出来たヒモやロープの代わりに用いられてきました。
民具に蔓で編んだ籠などもありますね。

山遊びの経験があれば「ターザンごっこ」のアレです。
木からぶら下がった蔓につかまってア~アア~と(笑)
Tarzan
Tarzan / daarwasik

山で採れる素材。現地調達できるものですからこんな使い方も。
祖谷の蔓橋 Iya Kazurabashi
祖谷の蔓橋 Iya Kazurabashi / ume-y

吊り橋のワイヤーとして使えたんですね。
映画の世界だけでなくこうして今でも使われている場所があるんです。

その一つが徳島県三好市にある「祖谷のかずら橋」。
国の重要有形民俗文化財にも指定されています。

どうでしょう、渡ってみたいと思いませんか? 
祖谷の蔓橋 Iya Kazurabashi
祖谷の蔓橋 Iya Kazurabashi / ume-y

同様に山から採れる伝統素材、まだまだあるんです。
蕨(わらび)。山菜として誰もが知っていますね?!
DSC_2969
DSC_2969 / SSKao

そして、ワラビといえばやっぱり「わらび餅」。
コレ上の写真の蕨(わらび)の地下茎から作られるんです。

葛(くず)と同じように、
地下茎に多く含まれるデンプンを取り出して粉にしているんですね。 
本わらび餅
本わらび餅 / ys*

ちなみにデンプンを取り出したカスとして繊維が残りますが…
それらを編んで作ったのが「わらび縄」。

硬くて強いのでかずら橋と同様、吊り橋のロープなどに使われたそうですよ。
同様に、一部の地域では土壁の中の小舞を編むのにも使われていたとか。

わずかですが、今でも園芸や民具などで使われていますね。

今でも現役で使われる伝統素材。
素材よりもそれを使う文化を残していかねばなりません。