残念ながら、簡単に手に入るモノではないんです。
原料を生産している方々がいらっしゃり
さらに、その原料に手をかけ素材に加工している方々がいるのです。
その方々の支援はとても大切なコトだと考えています。
そのために当協会では各地を訪問して現状を学び、
それを皆さんへ紹介する活動も行っています。
あるところでは
「文化財の工事があるから大丈夫じゃないの?」と言われることがあります。
残念ながら、それは「間違った考え」です。
建築だけに限らず、私たちの生活を支える素材は
「身近にある当たり前のモノ」だったハズです。
ところがすでに当たり前のモノは無くなってしまっているんです。
例えばワラ。
- 屋根を葺く材料に。
- 土壁に練り込んですさに。
- 畳の床(とこ)に。
それとも農薬が残っていても良いのですか?
大規模の農業ではラジコンヘリで農薬が散布されていますね。
そうなんです。様々な素材が失われつつあるんです。
さらに深刻なのはそれを生産する方々、そして加工する方々の人材難。
分かりやすい例を挙げれば林業です。
樹は放っておいて真っ直ぐな柱に出来るものには育ちません。
林業にたずさわる方が枝打ちを行い、山に手を入れることで良い木が育っていましたが
後継者が不足する現在、荒れる山が増えています。
かつて私たちが暮らす周囲には、里山と呼ばれる人の手が入った山がありました。
それらが荒廃することが、土砂崩れや水不足を招いている原因の一つでもあります。
理由は簡単なコト。
国産の木を使わないから。山にあるものを利用しないから。
何度も繰り返し自己紹介しておりますが、
「一般社団法人伝統素材伝承支援協会」について、再度。
長いので、皆さん「でんでん協会」と呼んでいます。
ほとんどの方が何の協会なのか分からないですね。
協会の役割はその名の通り
「伝統素材にたずさわる方々の支援を行う」ことです。
活動の理念は4つの言葉。
- 伝統素材を守ることは伝統技術を守ること。
- 伝統技術を守ることは古民家を守ること。
- 古民家を守ることは左官文化を守ること。
- 左官文化を守ることは伝統素材を守ること。
それが美しい未来だと思います。