平成26年度「現代の名工」が発表されました。

2014/11/11

伝統素材

t f B! P L
11月9日、各分野で優れた技能、業績を持ち、その道の第一人者とされる「現代の名工」に選ばれた方々が表彰されたとの報道がありました。
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000064265.html



「現代の名工」は1967年各界の技能水準向上のために創設されたもので、毎年秋に150名が選ばれています。

様々な分野からの名工が選出されていますが
発表資料より、「漆喰」に関連する方々を抜粋してご紹介します。

今年は4名の名工が選ばれました!!
お名前技能功績の概要
伊藤 和男 さん 日本古来の「土間たたき工法」の技能に卓越しており、高度な技能と永年の経験により試行錯誤を重ねながら、独自にたたき材料の調合比を割り出した。
また、伝統工法及び現代工法の研修会を開催し後進への技能継承に努めている。
さらに、日本古来の左官伝統工法を若手職人へ伝承していくため、「土蔵マニュアル」教本の発刊に尽力するなど、業界の発展にも大きく貢献している。
熊谷 重光 さん左官工として五四年間業務に従事し、左官工事の在来工法から新建材による施工まで広く熟知している。とりわけ、人造石の洗出し、研出しの技能は卓越しており、業界における第一人者として多くの賞賛を受けている。
また、その応用としてタイル貼りやエクステリア関連工事も施工し、多能工として活躍の場を広めている。
さらに、後進の指導育成や技能継承にも尽力している。
奥田 信雄 さん当時の正確な技法が失われて久しい、京都の茶室等の数寄屋建築の伝統的な左官工法での京壁の復元、再現を行っており、糊を使わないことから長期間の耐久性があるものの、施工が困難とされる京壁の水捏ね仕上げを再現している職人である。
現在得られる材料で、伝統的な壁をいかに復元、再現するかを念頭に施工しており、道具である鏝(こて)を数多く収集、研究しながら、より高度な施工法と技法の追求を続けている。
中山 晃 さん日本古来の工法である壁塗りの漆喰仕上げについて、材料の漆喰の作り方(成分を吟味して、時間をかけてきめ細かな最良の炊き糊をつくり、それに、消石灰、すさ、水を加えて練り上げる)の技能はもとより。薄塗工法の技能は卓越している。
国指定重要文化財、国登録有形文化財等の建築物や古民家の修復に携わり技能を発揮している。また、土壁工法も熱心に取り組んでいる。
技能伝承にも力を注ぎ後継者の指導や育成に貢献している。

ご紹介させていただいた4名の左官さん、そして他の受賞者の方々、本当におめでとうございます。今年も左官の技術に秀でた方々が選ばれたこと、とてもうれしく思います。