失われそうな素材を遺すには…使い続けることです。

2014/10/30

よもやま

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春日大社。奈良を代表する寺社仏閣の一つですね。
「古都奈良の文化財」のひとつとして世界遺産にも登録されています。
春日大社

春日大社 / Kentaro Ohno

平成27年には20年に一度の社殿修築。
第六十次式年造替をむかえる春日大社さんですが、檜皮の寄進を募っていらっしゃいます。
奈良へお邪魔の際は、お参りして、神様へ檜皮を一束、いかがでしょうか?
春日大社さんのページ http://www.kasugataisha.or.jp/zoutai/zoutai6.html


さて、その檜皮。
檜皮葺きの技術者は全国でも数百人しかいないのだそうですよ。
さらに、春日大社さんに限らず社殿修築で問題になるのが「屋根の檜皮が足りない」こと。

檜皮をご存知ない方のために…

檜皮(ひわだ)というのは文字の通り檜(ひのき)の皮。
つまり、木の皮をつかって屋根を葺いているんです。
こういった茶色い屋根、ご覧になったことはありませんか?


ほら、よく見ると木の皮。




通常は、業者さんが集めるんだそうです。全国の檜林から集めているんでしょうね。

でも、足りない。
新たに葺き替えるための檜皮は、とても貴重なものになりました。

文化庁がすすめる「ふるさと文化財の森」事業は、文化財を残していくために必要な伝統材料を大切に残していくためのもの。平成24年度現在で51か所。木材や茅、い草、漆などが選定されていますが、その中で17カ所がこの檜皮のために指定されているんです。
09533
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しかし、それでも不足したままの檜皮。
失われていくままになるのは大変残念です。

では、どうするのか?
日本の山、日本の木がしっかりと流通すれば良いわけなのですが…。