あまり定着していませんが、まだまだ言い続けてみたいと思っています。
我が国の漆喰の種類は多種多様ですが、なかでも
- 本漆喰
- 土佐漆喰
- 琉球漆喰
さて、その中でも伝承者が最も少ないのが「琉球漆喰」。
名前の通り、沖縄県で作られている漆喰です。
くどいようですが今日も「琉球漆喰」をおさらいしましょう。
琉球漆喰は稲わらと生石灰から造られています。
「土佐漆喰の真似をした?」と云われることが多いのですが違います。
土佐漆喰は「発酵させた稲わら」と「消石灰」で作られています。
さらに首里城はもともと13~14世紀ごろのもの。土佐漆喰が生まれたのは幕末から明治と云われていますから、漆喰は琉球の方が古いのではないでしょうか。沖縄は中国文化の影響が色濃く残っていた場所ですし。
さて、「漆喰」というもの自体、大陸から渡ってきたものです。
その製法は
朝鮮半島経由のもの と
中国から沖縄を通ってきたもの の2種類が考えられます。
ではそんな琉球漆喰について。
琉球漆喰は「ムチ」とも呼ばれます。ムチは「お餅」。出来上がった漆喰の様子や最後に石臼で突くことから、そのように呼ばれたようです。
その特徴を作り方から学んでみましょう。
まずは塩焼きの生石灰と切りワラを混ぜたものと水を用意します。

で、おもむろに水を投入。

すると、生石灰と水が反応を始めます。 ブクブク沸騰し始めているのが分かりますか?

ここから、近くにいる者は全員逃げます。
なぜかというと…爆発的に反応するからです。
湯気と飛沫が数メートル舞い上がり、時折、未反応で残っていた部分が突如反応するとボンッと爆発。煮えたぎる材料がはじけ飛びます。
だから反応の様子は近寄ることが出来ず、撮影不可能。
これが冷えた表面。激しい沸騰の跡が良くわかります。

漆喰が冷めたら、ワラが擦りつぶれるまで、ペッタンペッタンと臼で突きます。
あとは、これを熟成させて…

ワラと生石灰最終的にココまで黄色くなるわけです。黄色は全てワラから出た色。土佐漆喰と同じく、紫外線にさらされることで少しずつ色が褪めていきます。

本漆喰のように海藻のりが使われていないのは、海藻が取れなかったから?という説もありますが沖縄本島の北部では角叉が採取可能とのこと。食文化にも沢山の海藻を食べる習慣がありますから、海藻を利用することも難しくなかったとも思われますね。
沖縄での現地調査でも詳しい漆喰の歴史は見つけられませんでしたので、なんとも言えないのですが、とりあえず海藻を利用した漆喰が使われた歴史はなさそうです。
私にとって沖縄の大好きな風景は、青い空、赤い瓦、そして漆喰。
この文化は是非残して続けていただきたいです。そのためには、漆喰職人、瓦職人だけでなく、その「素材を使う」風土が必要です。
地元の方々には、琉球の心の一つとして大切にしていただきたいですね。