ある宿泊施設の夜のコトでした。
う~ん、どうにも部屋の空気が悪い。窓も開けられない。
エアコンはよくあることですが、ちゃんと動いていない。
なんだかクシャミも止まらないしな~…と
まさか…まさかね…とエアコンの奥を覗き込んだ瞬間、背筋が凍りました。
こ、これは?
白い点々はいったい?
いや、その前に、なぜ真っ黒なんだ??
説明しなくともお分かりですね?
全部カビ。
しかもタダゴトではありません。
全くといっていいほど掃除をしていないのでしょうね。
おそらくエアコン内部にびっしりとはびこっています。
この中をとおって出てきた空気を吸ったら…健康でいられるわけがありません。
ヒトを快適にするための機械に殺されるかもしれない?という、大変貴重な体験をしました。
さて、快適と言えば…
「漆喰の部屋は快適に暮らせるんでしょ?」と、よくあるご相談に、逆に聞きたいことがあるんです。
お掃除してますか?昼寝ばかりしていませんか?
「漆喰を塗れば快適なんでしょ?」という方がとにかく多いんです。
ですが…
漆喰を塗った家に住んでいるからといって
快適な暮らしが出来るわけではない
と、今回も云わせていただきます。
漆喰の壁は呼吸して、色々なものを取り込みます。 調湿作用もありますから、結露を防ぎ、カビの繁殖も防げます。 静電気を帯びにくいので、ホコリが付きにくく、アトピー体質の方に最適な環境に。 |
イイことばかりですね。
ですが、ちゃーんと考えてください。
漆喰の家に住めば、何もしなくてもよいというわけではないのです。
“メンテナンスフリー”という言葉、心惹かれますよね?
でも、日本伝統の素材は、手入れしてナンボ。
お部屋の掃除、ほとんどの方は掃除機を使っていますね?
かつて箒(ほうき)しかなかった時代、畳の上を掃く時にはお茶っ葉の出がらしを撒いて、ホコリが舞わぬように、絡め取りながら掃除が行われていたものでした。
木の床や柱は日々磨かねば光りません。
ワックスやニスなどは使わず、米ぬかや米の研ぎ汁で磨かれていました。
壁が漆喰でも、
ちゃんと換気して、部屋の掃除を行わなければ何の意味もありません。
伝統素材は基本的には静電気を帯びにくい素材が多いので、かえってホコリが舞いやすいのです。
何もしなければ
アレルギーに悩んでいる方は、かえって症状がひどくなってしまいます。
あたりまえのことをして、さらに気持ちいい家
になるのが「木と漆喰の家」なのです。
木や漆喰などの良いところばかりを見ていませんか?
結構忘れている方、多いです。