春からの新居。せっかく住み始めたものの、ちょっと手を加えたい!って方も多いのでしょうね。5月の連休に住まいのお手入れを考えている方からの相談が増えています。
さあ、今のうちにイロイロと調べて準備して、漆喰もDIYで!…と意気込んではみたものの、う~んワカランっと。
「自分で漆喰を塗りたいけど、どうすれば?」
と、よく質問が数多く寄せられます。だから今日はそんな方々のためのおさらい。
漆喰というものはとても不思議な素材です。
平らに真っ直ぐ塗ることも出来れば
曲線を描いて丸く塗ることもできます。
時には豪快に
そして時には繊細に
これらの技を日々磨き、卓越したワザを見せてくれる方々。
それが左官職人さんです。
「でも、私、ケッコウ器用なのでキレイに塗れると…」
器用な方なら練習すればキレイには塗れるでしょうね。
しかし必要なのは「塗る」だけでなく「塗り重ねる」技術。
漆喰をシュシュッと塗ることだけが左官さんの仕事ではありません。
下地を造るのです。幾重にも塗り重ねるのです。
最後にキレイに仕上げるためには何でもそうです。下地や土台になるものが一番肝心。女性のお化粧だってそうですよね?
ただ塗るだけじゃダメ。
左官のそれは誰にでも出来る技術ではありません。
そしてさらに言えば「漆喰」自体、マニュアルがあれば塗れるという代物でもないわけです。
漆喰に限らず、釘一本使わぬ大工の技、茅葺きの屋根葺き、漆塗り、どれをとってもマニュアルを見ながらできるものではありません。
それこそが伝統素材。素材の特性を見極めること、それを扱いこなすこと、それらも「技術」なんです。
さて、冒頭の質問にお答えしましょうね。
Q;自分で漆喰を塗りたいけど、どうすれば?
A;ただ塗るだけなら大丈夫です。頑張って塗ってください。ただし、キレイに仕上げることや、長持ちさせることは、残念ながらあきらめてください。
素材を活かすのも殺すのも使い手次第なのです。
ですが、「DIY用」の製品であれば大丈夫ですね?!多くの方が間違いなく仕上げられるように設計されていますから。
それについてはまた別の機会に。