残念ですが、漆喰の汚れはあきらめてくださいね。

2014/04/20

伝統素材

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新しい住まいには若いご夫婦と小さなお子さんがいらっしゃることが多いですね。
そんなお子様というものはトコロ構わず…

「あ~っ」といった時にはすでに遅し。


「すみません、漆喰の汚れを落としたいのですが?!」というご相談、
かなり多く寄せられます。

と、いうわけで「漆喰の汚れ」についてです。



外部の汚れは自然の影響によるもの。
そして、内部は…ヒトによるものが多いですね。

特に近年は「子供の健康のために」と漆喰を選ぶ方も多くなりました。

ところが、子供は汚すのが当たり前。…ですよね?
 食べこぼし、食べ物を持った素手でトコロ構わず触る。
 気が付くと壁一面に落書き。
 モノを投げてぶつけて傷だらけ。

元気なお子様であればあるほど、壁も床も汚れるものです。
ま、大人であっても汚す時は汚すのですが…。

それらの「汚れ」を落としたいとの相談に対しての答えは

 「あきらめてください」

というよりほかにありません。


ほんのちょっとした汚れであれば、消しゴムで落とせるでしょう。
軽微なシミであれば衣類と同じく、中性洗剤でとんとん叩いて…。
ですが、しっかり浸み込んだ汚れは…まず落とせません。

それは「漆喰」の特性によるものです。

漆喰は呼吸をする素材。
じめじめした日には湿気を吸い、乾燥した日には水分を放出。
臭い成分を吸収し、ホルムアルデヒドを吸収し…吐かない。
様々なモノを吸収してくれる素材なのです。

だから、汚れも取り込むわけです。
撥ねた油も、こぼしたコーヒーも、お子様の落書きも、全て吸い込み封じ込めます。
それが「漆喰」。

ですが、そのおかげで健康的な暮らしが出来るのも事実。
ですから、初めからあきらめていただくことが得策ですね。

小さなお子さんがいる方の住まいづくりの際には、
10年、20年後に塗り替える事を前提とした提案をおススメしています。
分別がつくようになった頃、「ここはお前3歳のころ、汚したんだよ」と思い出にも。

柱の傷と壁のシミ。
想い出が残る住まいも素敵だと思いませんか?

でも、最近「汚れない漆喰」「汚れが分解される漆喰」というものもあるようです。
それはいったい…?