そろそろ引っ越しシーズン。DIYで漆喰を塗りたい方が増えるんですよ。

2014/02/23

伝統素材

t f B! P L
そろそろ移動のシーズン。辞令がすでに出ている方もいらっしゃるようで、引っ越しの準備とともに、新しい環境への準備も進められています。

今日はこんな移動の時期、よくいただく相談について。
DIYで漆喰を塗ることについておさらいです。



「漆喰を自分で簡単に塗る方法は無いですか?」とよく訊かれます。

 ――― あります。簡単ですよ。「綺麗に塗らないこと」です。


要するにただべたべたと塗りつけるだけ。そう。塗るだけならば「誰でも」塗れるのです。

ところが、皆さんの望みは違いますよね? キレイに塗りたいんですよね??

でも、プロの左官職人さんは、日々のたゆまぬ研究と努力で、様々な左官材料の仕上げ方法を習得されていますし、当然、高度な技術が要求される仕事もあります。実際、左官さんの中にも、漆喰をしっかりと塗ることができる職人さんと、そうでない職人さんがいるのです。

皆さんの望みはDIY。 
職人さん達と同じコトが、そんな「ぶっつけ本番」で出来るわけがないのです。
だって鏝(こて)ですら持ったことないでしょう?

左官職人の誇り高い技術は、難しいからこそ受け継がれてきた技術。

もっともオーソドックスな漆喰の仕上がりは「平滑で艶消しの押さえ仕上げ」というものです。正直、シロウトにはそれはあきらめていただくほかありません。修練とカンが必要となりますから、独学でどうにかなるものでもありません。

さらに、漆喰という素材はペンキのようにただ平らに塗ればキレイに仕上がるものでもないのです。
手順を踏んで塗り重ねていく中で、乾燥の塩梅を見計らいながら。
塗りあがった後もその乾燥の様子を見守ってやる。とにもかくにも手のかかる素材なのです。

漆喰に限らずぶっつけ本番で出来るほど、日本の伝統素材は甘くありません。

ただ、近年DIY用の漆喰というものも販売されています。
多少の樹脂などの化学製品が含まれている場合がありますがそれなりに良いものです。
「どうしても自分のチカラだけで!」とおっしゃる方はそちらを。

素材にこだわる方は、左官さんにお仕事をお願いしながら「どこか自分でも塗ってみたい」とワガママを言ってみるのも良いかもしれません。
お手伝いしながら、とてもキビシイ指導を受けながら、自分で仕上げた壁。それでも、皆さんがそれなりに納得できる壁になると思いますよ。