石灰という伝統素材

2013/10/01

伝統素材

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漆喰の主成分、というよりそのほとんどは消石灰で出来ています。

 

ひとえに「石灰」と言ってもいくつかの姿があるんです。

今回も、原石からこのコナの状態になるまで、その作り方をおさらいしながら学んでみましょう。


消石灰が出来上がるまでのオハナシです。

 

まずは石灰石を用意します。大きさは大人のコブシくらいですね。

 

石灰石石灰岩の鉱山から。

石灰岩はほぼ日本全国で採取することができるんです。

 

まずは先ほどの石灰石を焼きます。

 

「焼く」には燃料が必要ですね?多くは石炭やコークスが使われています。

 

石灰石と燃料とを、交互に、イイ感じに火の上がっている窯(かま)に投入します。

 

石を焼く温度は800度から1000度くらいです。

 

そして焼く時に忘れてはならないのが「塩」を加えます。

塩がガスに変わることで効率が上がるほか、石灰石に含まれる不純物を取り除くことにも繋がります。

 

3日ほど経って、焼成熱も冷めたところで取り出します。

焼けた石は白くなりましたね。これが「生石灰(きせっかい)」です。

 

さて焼いた後、今度は水を使います。生石灰に水をかけると…

あーら不思議。高熱を出しながら壊れていきます。

水と反応して化学変化を起こしているんですね。

 

こうして出来上がったのが「塩焼き消石灰」。

 

国内で生産されている石灰はたくさんありますが、こうやって漆喰用に作られているのは国内数か所、ごくわずかの量なのです。

逆に、工業的に大量に生産されている石灰もあります。それらは重油などを燃料に、高温で焼成されておりますので、残念ながら漆喰には不向きなのです。

 

石灰にも貴重な素材があること、知っておいて下さいね。