土と石灰の歴史を語るもの

2013/09/26

伝統素材

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ちょっと珍しい写真から。この丘、何の写真なのか分かりますか?

 

 

古墳…つまり昔のお墓ですね。こうして作られた当初の姿を見られるのは珍しいものだと思います。

写真のものは、今の宮崎県で3世紀後半から7世紀前半に豪族などと呼ばれた有力者の墓であるといわれています。

 

そしてこの古墳、古墳の中でも有名なカタチ。「前方後円墳(ぜんぽうこうえんふん)」といいます。小学校あたりで習ったハズなのですが…憶えていますか?名前の通り、前が四角くて後ろが円形なのです。

 

突き固めた土。ただ、そのままでは風雨によってされてしまいます。そのため石灰を混ぜて硬化させるなどの技術が用いられたようです。版築(はんちく)や三和土(たたき)の技術の古いものですね。なので、日本の土木の歴史遺産だと言う方もいるようです。 

 

キレイに突き固められた土の上には「葺き石(ふきいし)」といわれるコブシ大の石がびっしりと並べられています。

 

写真は全て2009年に公園として公開された宮崎県の生目古墳群史跡公園(いきめこふん)にある生目5号墳です。国内でも数少ない復元古墳。ワタシが師匠と仰いでいる方も復元のため粉骨砕身、努力されたそうです。

 

古代の遺跡と言えば埴輪(ハニワ)。本来はこうして古墳の上に並べ立てられたものなんだそうです。土をこね焼いて作られた埴輪。これもまた我が国の焼き物の技術の歴史なんです。

 

1000年以上前の土と石灰の技術。

漆喰もその一部で石室の装飾などに使われたようですね。