漆喰に必要な 海の恵み

2013/05/20

伝統素材

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やっと梅雨入りし始めたニッポン列島ですが…もうそこまで夏が近づいていますね。

 

連日の各地での真夏日。いっそ海水浴に行きたい気分ですが…。

 

春先から夏にかけて収穫される海藻。

左官でつかう「のり」の原料となる海藻の採集は、すでに最盛期をむかえています。

 

ほら北の海の磯です。黒々と海藻が生い茂っていますね。

 

海藻は陸の植物と同じく、光合成で成長しますから発育も良い時期なのです。

 

漆喰の原料となる海藻。

 

本来はこのように煮炊きして…

 

漆喰を塗るときに必要な保湿、接着剤として用いられてきたわけです。

 

我が国での収穫地は、北海道から青森、三陸にかけて。

昨年、一昨年は東日本大震災の影響で採取量が少なかったようです。

 

が、すぐには影響はしません。

 

原料の海藻は保管熟成、つまり「寝かせる」必要があるのです。

実は海藻は採取してすぐには使えないのです。早いもので1年、遅いものでは3年以上。そうやって海藻を乾燥熟成させた後、やっと使えるようになります。

 

そのため、左官用の海藻を扱う会社さんは、毎年、数年後のための海藻をしっかり在庫しておられるんです。

また、産地は国内だけではありません。漆喰が大陸から渡ってきた頃から使われてきた朝鮮半島産など、海外のものも安定して供給されているようです。

 

向こう数年分の原料、それを大事に保管している左官さんも少なく、漆喰メーカーの原料在庫もそう多くはないはずです。

実際、すぐに収まりましたが、震災後には「海藻が無くなる?」といった騒ぎもありましたね。

 

けれども、海藻会社さんのおかげで漆喰が無くならずに済んだ…そう言っても言い過ぎではないと思います。

 

今年は少しでも良いので収穫量があがると嬉しいですね。