漆喰は全て生物が原料となっています。
様々な生命を壁にしているといってもよいでしょう。
…と、しみじみ申し上げても想像のつかない方のためにおさらいです。
まずは石灰。
太古の昔、海の底に堆積したサンゴやプランクトン、原虫などの化石が現在、石灰岩として採掘されています。
キレイな海の底が何万年も何億年もの間に隆起して山になり、石灰鉱山になっているんですね。
ほら、サンゴの殻は貝などと同じく、カルシウムのカタマリです。
次に海藻のり
ヒジキやワカメ等と同様、各地の海や磯などで採られたものですね。
そして麻すさ
麻畑で栽培された麻の茎の繊維が加工された物。今は海外の各地で生産され加工されたものが我が国に輸入されているんです。
すべての素材が生物で造られたものなのです。
様々な生物の恩恵を受けて造られたのが漆喰。
「木」と同様、自然と共存しながら長く大切に使われてきた伝統素材です。
我が国の気候風土に合っていて当然なわけですね。
ただ…近年、漆喰に化成品が加えられているケースが少なくありません。
…なんだか寂しい気持ちになるのは私だけでしょうか?