ワラと漆喰と 海を渡る伝統素材

2012/08/22

伝統素材

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沖縄の伝統行事と言えば綱引き。

無形民俗文化財にも指定されています。

 

しかも、大きな大きな綱を大勢で引っ張り合うんです。

最大のモノは那覇市の大綱挽き。

世界最大。ギネスブックを飾る大綱は40トンを超える超弩級。

勝敗に「引き分け」が多いのは…動かないから?(笑)


写真;那覇市

 

那覇市のものは観光の色が強いですが、

とにかく沖縄の方々は綱引きがお好きですね。

 

沖縄県の各地で開催される綱引き。

100か所以上で行われているとのことですが、

観光のために紹介されているのは

上の写真の那覇、真喜志、真栄里、糸満、そして与那原。 

 

とにかく一度は生で見ていただきたい、私も大好きな伝統行事です。

で、その中から与那原の大綱曳が海を渡るというビッグニュース。

9月8日に大阪の大正区で開催されるとのことですよ。

 

もともと沖縄と縁の深い大正区。

さらに今年は返還40周年、秋からのNHK朝の連ドラが沖縄と大阪など、

いろんな意味で縁深い年だったんですね。

 

 


…と、それだけで終われないのがこのブログ。

 

これが大綱を作るための綱。ワラで出来ています。

この綱、要らなくなったらどうしているか、ご存知ですか?

 

沖縄で大綱に用いられたワラの一部は、

こうやって…漆喰の原料として使われているんです。

生石灰と水、そしてワラから出来るのがムチと呼ばれる琉球漆喰。

 

守礼門にも、首里城にも使われている沖縄の伝統素材の原料になるんです。

綱としても、原料としても、伝統を守るために大切な素材なんですね。

 

 

ちなみにワラは稲穂からですね。

こうやって稲架掛け(=はさかけ。または稲木干し等と呼びますね)して

天日にあててゆっくり干した稲穂を脱穀したあとに、残るのがワラ。

 

でもこれがなかなか手に入らないんです。

 

多くの田圃ではコンバインで稲刈りをしながら、その場で脱穀まで。

ワラはその最中に細かく刻まれて田に撒かれるんです。

 

だから、「天日干し」のお米って手に入りにくいんですね。

そのくらい貴重な素材となったのがワラ。

漆喰では琉球漆喰のほか、土佐漆喰などの原料として大切に使われています。

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