今夜から関西、東海へ出張。
京都~西宮~名古屋…
おお、これはもしや三大土塀を連続クリア出来るか?
と一人盛り上がっています。
日本三大土塀は
京都・三十三間堂の太閤塀
兵庫・西宮神社の大練塀
愛知・熱田神宮の信長塀
全て出張ルート上に(笑)
というわけで、土と土塀のオハナシのおさらい。
漆喰よりも「身近な」素材。それが土です。
住まいに限らず、もともとヒトの暮らしを支える全ての素材は
身近にあって容易に手に入り、繰り返し使えるものばかりでした。
だからこそ、世界中どの国にも土を使う文化が根付いています。
さて、建築文化史についてはその道の専門家の方のサイトなどで学んでいただくとして
今日は壁としての「土」、とりわけ昔から残されてきた技術「版築」をあらためて紹介します。
版築(はんちく)とは板で作った型枠に土を突き固め、
何度も繰り返しその作業を行うことで土の層を積み上げていく技術。
由緒ある寺社仏閣の土塀などでその姿を見ることができます。
幾重にも積み重ねられた地層のような模様。
そして表面には型枠に使われた木目がまだキレイに残る部分もあります。
それが徐々に風化していくと…
突き固められた層ごとに削れ始めているのが分かりますね。
どうでしょう?朽ちてもそれが「美しい」と思えませんか?
それこそが伝統素材の魅力。
苔生した石垣、表層が磨耗した土壁、ひび割れた漆喰…
私達には「傷み」を自然のあるがままの姿としてとらえ、
さらには美しいと思うDNAが秘められていると思っています。
ちなみにこれら3枚の写真の土壁は
兵庫県西宮市の西宮神社さんにある「西宮神社大練塀」。
…私の生まれ育った文化住宅があった場所のすぐそばにあります。