日本最古の漆喰？と言われたニュースが先日。
しかし、まだ私の中では日本最古は高松塚古墳壁画のものです。
その中でも有名なのが、青龍・朱雀・白虎・玄武の四神と
「飛鳥美人」ともいわれる女子群像。
そもそも壁画が発見されたのが１９７２年。
今から４０年前です。
そして雨水の浸透やカビの発生などで大騒ぎになったのがこの近年。
文化財修復の専門家の方々が様々な知恵と技術を結集して
保存に努めて来られました。
今回のニュース（下欄にリンクあり）では
余白部分のカビや汚れが除去されたとのこと。
２年前、２０１０年にＮＨＫで放映された
「サイエンスＺＥＲＯ よみがえれ飛鳥美人～高松塚古墳の壁画の修復に挑む」では
洗浄作業になんと布海苔が用いられており、ビックリした記憶があります。
布海苔。ふのり。ご存知ですか？
昔から「のり」として使われてきた海藻です。
煮出したのりで着物ののりづけ、紙の貼り付けなど、
様々なカタチで使われてきました。
現在では伝統工芸などで使われるだけでしょうか…。
そして漆喰にも使われてきた海藻のりです。
現在でも一部の地域では必ず「ふのり」を使います。
実際に実験したことがあるのですが、
海藻を使い分けてみると海藻の種類によって「のり」自体の性状、
そして漆喰として練ったときの性状がそれぞれ全く異なりました。
ふのりを用いると独特の滑らかさと伸び加減…言葉での説明は難しいですね。
とにかく、それにこだわる左官職人さんがいらっしゃるのも頷けます。
…と、海藻の専門的なオハナシは割愛しまして改めて布海苔。
上の写真は普通に食用として売られている乾物です。
食べるものでもあるんです。
名物？フノリラーメン（竜飛岬）
とにもかくにも、「伝統素材が文化財を守る」。
その結果であると嬉しいニュースのお話でした。
