平成23年度 現代の名工

2011/11/16

伝統素材

t f B! P L

11月9日に発表された

本年度の「現代の名工(卓越した技能者の表彰)」ですが、

その表彰が昨日11月15日行われたとのことです。

 

一覧をご覧になりましたか?

 

厚生労働省のホームページから

今年の150人全てを閲覧することが出来ます。

http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001t2t7-att/2r9852000001t2x8.pdf

 

今年も漆喰に関連する職種の方々が表彰されましたね。

せっかくなので150人からその方々を抜粋。

厚生労働省の資料より転載)

 

かわらふき工 神戸吉成さん(岐阜県)

社寺の屋根瓦工事を多く手掛け、長年の研究と努力で培った技能を大規模な建物や文化財の屋根などの施工に発揮している。特に、瓦屋根の特徴を活かした断熱性と耐風効果を併せ持つ工法を提唱し優れた技能を有している。また、CADを駆使し特殊な屋根の収め方を図面化するなど瓦葺き業界の発展に寄与している。技術と人間性重視の後継者育成に余念がなく、】有資格者として技術面や安全面での指導・育成に貢献している。

 

左官 嶋田弘之さん(兵庫県)

寺社の施工においては、日本古来の伝統的な工法を駆使し、卓越した技能で美しく仕上げている。特に、御本尊周りにおいては、材木等も上品質なものを使用しているため、「のれん」を打ち付け、特にチリ周りを汚さないように、また、施工後隙間が空かないように巧みに施工している。また、洋間の壁と天井のつなぎ目に石膏で作った飾りを付ける「置き引き」技能についても、業界の第一人者として高い評価を得ている。

 

かわらふき工 田井孝さん(山口県)

日本古来の土葺き工法や本葺き工法等の伝統技能・技法に卓越し、文化財である古瓦のおさめ方や昔ながらの瓦のおさめ方を鮮やかに再現する技に優れ、全国各地の寺の修復を行っている。全国有数の規模を誇る兵庫県の無量寿寺の屋根工事の第1期工事では、全国から集まった70名の職人の職長(全体の統括)として指揮監督をした。

 

左官 岩下恒雄さん(福岡県)

寺社、町屋、蔵の施工を得意とし、特に、伝統的工法である漆喰塗りに関する技法に卓越しており、氏の「撫で」「押さえ」「磨き」を用いた壁面は均一で、表情豊かな優美な風合いを造りだすことができる。また、工程が複雑で現在では施工できる職人が少ない人造洗出し工法にも優れており、その技能は業界において高く評価されている。現在は、技能研修の講師として、数多くの優秀な職人を育て上げている。

 

琉球赤瓦屋根施工 大城幸祐さん(沖縄県)

長年琉球赤瓦屋根施工に従事し、首里城守礼門をはじめとする多くの重要文化財の復元工事において優れた技能を発揮し、文化財の保存、施工技能の継承に大きく貢献している。

 

左官 吉村弘さん(東京都)

擬木は左官工芸の一種で左官材料であるセメント、砂、顔料などを使って、自然樹木同様に作られたもので、日本では明治40年頃から公園のベンチ、橋、棚、門柱、塀、あずま屋等にひろく用いられていたが、氏はそれまであまり用いられることのなかった一般の建築物に、現在「擬板」「擬石」「擬岩」と呼ばれている工法を、独自の道具を用いて、壁や柱、濡れ縁、飛石、灯籠などにも応用して、伝統工法と現代工法の融合に努めている。

 

上記の皆さま、そして表彰をお受けになる150名の方々、おめでとうございます。

 

 

とりわけ沖縄県からは昨年の山城富凾さんに引き続き、

琉球赤瓦屋根施工の職人さんが表彰を受けられます。

 

瓦と共に用いられる「琉球漆喰」を愛する私にとってはとても嬉しいことです。 

 

伝統素材と伝統技能。

どちらも大切に伝えていかねばならないコトです。