火事と古民家

2011/10/10

伝統素材

t f B! P L

福岡の酒造会社の大切な文化財が屋根裏の配線ショートで火災。

(詳細はこのブログ最終のリンクから)

 

…もったいないですね。

配線が老朽化?…と考えるその前にあることが思い起こされました。

 

あるときの問答。

「鳥越くん、『古民家』と『そうでない家』の境目って分かるかい?」と。

その時の答えは「電気の有無」だったのです。

 

家があって、後から電気を引いたのが「残されている古民家」。

始めから電気ありきで建てられたのは「古い家」。

 

おおお、それは分かりやすい!と感動したものでした。

 

後から引いた風の装飾が心憎い栃木県「癒堂。」

 

そうなんです。

「電気はあとから。」それが本来の古民家の姿かもしれません。

 

本年行われた「民家の甲子園」で大分県立竹田高等学校さんの発表にもありました。

その視点に度肝を抜かれたことを覚えています。

 

「追憶」

 

家の中で見つけたもの達。燭台が立ち、その下には葉書。昔の人は蝋燭の薄明かりの下、葉書に込められた想いを読んでいたのだろうか。今では蝋燭に代わり、電球の明かりが明々と想いを照らす。今では使われなくなったもの。それは今と昔を繋ぐもので、昔の人の記憶の欠片。

 

 

だからといって「不便なままの古民家」が良いとは考えていません。

電気、ガス、水道。さらに現代では光回線があっても良いのかも。

 

伝えられてきた「良いもの」を最大限生かしながら、豊かに暮らす。

それが我が国の理想的な住まい方だと考えます。