コレが分かれば「建築素材の今」が分かる

2011/07/10

しっくいQ&A

t f B! P L

今日は漆喰と塗料(ペンキ)の違いについておさらいです。

実は建築関係の専門家でも

これがちゃんと説明できる人、案外少ないのです。

 

その違いを説明するために知らなければいけないのがその中身。

しっかり分かりやすく説明します。

 

塗料の配合は大きく4つ。

 

  • 樹脂   ;名前の通り、油です。乾いた後、膜になる成分。
  • 溶剤   ;溶かすための液体。シンナーや水。
  • 顔料   ;色を着けたり、厚みを付けるための粉。
  • 添加剤  ;塗りやすくしたり、品質を安定させたりさせるためのもの。

 

「油を溶かして塗る」それが塗料です。

 

色を着けるためには顔料を入れます。

乾いた後には色の粉が混ざった油の膜が残りますね。

乾いて固まり、プラスチックの膜を作るもの。それが塗料です。 

壁の塗装[2546196] - 写真素材
(c) 極楽蜻蛉写真素材 PIXTA

 

 

漆喰の配合も大きく4つ。

 

  • 石灰    ;9割以上が石灰分です。
  • 麻すさ   ;石灰の収縮や外力からのひび割れ防止のつなぎ材。
  • 海藻のり  ;作業中の保水性や材料の粘性の調整。
  • 水      ;上の3つを混ぜるためのもの。石灰の硬化促進。

 

漆喰を塗ると水が蒸発した後、ほぼ石灰のカタマリになるわけです。

そして、石灰は空気中の二酸化炭素を吸いながら、長い時間をかけて硬化します。

だから、塗って乾いた直後は、固まっていません。

 

 

なんとなく分かりましたか?  

 

塗料は樹脂(油)を塗るもの。漆喰は石灰を塗るもの。

 

だから、

 

 塗料は塗って硬化した後が最も強く、

 漆喰は時間が経てば経つほど強くなるのです。

 

 塗料は油の膜ですから、水を通しませんが

 漆喰は粉のカタマリですから水や空気を通しやすい。

 

 塗料は樹脂の違いで性能が変わりますが

 漆喰は石灰なので性能は昔から変わらない。

 

と、云うわけです。

 

 

そして、このような素材の構成。

実は、ちゃんと理解している人が本当に少ないのです。

 

今オシゴトを頼んでいる工務店さんやハウスメーカーさんに

「何がどう違うの?」と尋ねてみてはいかがでしょうか。

 

半分くらいの方がシドロモドロになるはずです。

逆にしっかり答えられるヒトであれば…ちょっと安心できますよね。