文化を支える「のり職人」

2011/06/07

伝統素材

t f B! P L

海藻粉末。

この粉のおかげで我が国の文化が存続しています。

 

以前も漆喰の製法のついて説明しましたが、

左官でつかう「のり」は海藻を原料としています。

 

左官だけでなく、様々な伝統産業で使われてきたフノリ。

海藻を煮ることで得られる、保湿剤であり接着剤であったわけです。

 

本来、着物の糊づけに用いられていたほか

染め物などにも使われてきました。

 

当然、今でも「ほんまもん」には使われているわけですが…

左官の現場で材料作りから取り掛かれるような現場も

そうあるわけではありません。

 

 

そこで、冒頭の「海藻粉末」を使うのです。

国内にわずかですが、海藻のりを造る加工会社があります。

 

まずは原料の海藻の保管熟成。

…実は海藻は採取してすぐには使えないのです。

早いもので1年、遅いものでは3年以上、乾燥熟成させた

やっと使えるようになります。

 

それらを加熱処理し、乾燥させ、粉末に。

その品質が安定するように様々な工夫を凝らしています。

 

ここまで来ると加工会社ではなく「職人」ですね。

我が国の「のり」は職人さんの目利きと勘、

そして経験と努力で守られているのです。

 

この方々が居なければ「漆喰」が作れなくなるといっても

過言ではありません。

 

誰も知られない数少ない専門家(プロ)によって

我が国の文化は守られています。