伝統素材の天敵

2011/06/10

伝統素材

t f B! P L

清水さん。

思い切って何かをやるときのコトバで

「清水の舞台から飛び降りる」の清水寺(きよみずでら)さん。

京都でも有名な観光名所ですね。  

写真素材 PIXTA
(c) 赤城 一人写真素材 PIXTA

 

 

ちょうど今、平成の大修復の真っ最中です。

そのおかげで少しショッキングなニュース。

 

380年の長きにわたり舞台と本堂を支えてきた、欅の78本の柱のうち12本が…修復を余儀なくされているようです。

 

 

原因は白アリと腐朽菌。

1000年を越えて使われる素材である「木材」。その弱点はこの2つなのです。

 

アリを予防し、腐朽菌の繁殖を抑えるには、通風が良く、乾燥しやすいを環境にあること…ということくらいしか無いのですが(防腐剤などは使いたくないですよね?!)、構造上いたしかたないこともあります。

 

 

じゃあ、傷んだ12本の柱、どうするのかというと?

 

傷んだ部分だけ換えればよいのです。

何も全て新しくする必要はありません。

 

それが我が国の伝統素材を支えてきた大工さんの技術。

「継ぎ」です。

 

たとえ構造部材であっても、ちゃんと「部分交換」で使える素材。それこそが伝統素材と呼ばれる由縁かもしれませんね。