誰もが出来ないからこそ「技術」

2011/04/28

伝統素材

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漆喰というものはとても不思議な素材です。

 

平らに真っ直ぐ塗ることも出来れば

 

曲線を描いて丸く塗ることもできます。

 

時には豪快に

 

そして時には繊細に

 

 

これらの技を日々磨き、卓越したワザを見せてくれる方々。

それが左官職人さんです。

 

ただ、残念ながら100人の左官さんがいて、全ての方が同じ技術を持っているわけではありません。それは左官に限らず、職人の世界で「匠(たくみ)」と呼ばれる方がいらっしゃるのと同様、日々の修練と努力により「出来る」職人さんが生まれてくるのです。

 

 

が、時折「素っ頓狂」な相談をいただくことがあります。

その中でも多いのが「磨き」について。

 

 「今度、漆喰の磨きを入れたいんですが、その材料はどれですか?」

 「お施主様の依頼なんですが、お値段、幾らくらいみとけば良いですか?」

 「磨きをやれって言われたんですが、マニュアルはありますか?」

 

罪です。知らないということは罪。

漆喰の「磨き」は左官仕上げの最高技法の一つ。

 

それは誰にでも出来る技術ではありません。そしてさらに言えば「漆喰」自体、マニュアルがあれば塗れるという代物でもないわけです。漆喰に限らず、釘一本使わぬ大工の技、茅葺きの屋根葺き、漆塗り、どれをとってもマニュアルを見ながらできるものではありません。

それこそが伝統素材。

素材の特性を見極めること、それを扱いこなすこと、それらも「技術」。

 

 

だからこそ価値があるものなのです。