本来ならば「観に行く」場所だけでなく、もう少し色々と細かいところまで説明しておくべきだったかもしれませんが、それはこれまでのお話を読んでおいていただければ。
今日は壁の違いのお話。
この連休に見に行った場所のおさらいにして下さいね。
大壁と真壁
建築の関係者ならば「常識」なのですが、建物の壁には大きく分けて大壁と真壁の2種類があります。という、大壁ってナニ?という話です。
建築では基本的な用語なのですが、簡単にいえば、柱が見えない壁が大壁(おおかべ)。
なんだ、珍しくないじゃん。と言われそうですね。
では柱が見える壁は?
「真壁(しんかべ)」といいます。
大壁と真壁、どちらも昔から伝わる伝統様式ではありますが、古くから伝わる建物には真壁のものが多いようですね。
寺社建築は真壁のものがほとんどです。
我が国の伝統構法で考えれば、柱が土壁などの中へすっぽりと隠れてしまうわけですから、傷みも分かりづらく、手入れも難しかったことも長く残されていない理由の一つのようです。
ただしお城や土蔵などは別。
「燃えてはいけない」のです。
だから防火に配慮して柱などは露出していません。
だから大壁造りが多いわけです。
ただし、真壁の場合でも、その柱の上から漆喰などを塗って、防火効果を与えている構造のものもあります。
というわけで「大壁(おおかべ)」と「真壁(しんかべ)」の違い、分かっていただけたでしょうか?
ちなみに漆喰を塗るときには、大壁の場合には技術だけでなくチームワークなど様々な要素が必要になります。継ぎ目なく大面積を完成させる技術、とても難しいことなんです。
…そのオハナシは、またいつか。