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2015/04/19

石灰もリサイクル素材だった? 古代のゴミ捨て場と漆喰のお話。

西日本では桜はほとんど終わってしまいましたね。
お花見の宴会や行楽も一段落。

では、次の行楽は? …海辺ならしばらくはコレですね。



潮干狩り。アサリなどの貝を採るんです。


既にスーパーの鮮魚コーナーには、アサリが並んでいますね。
 

千葉県千葉市の遺跡で最古の漆喰が見つかったと報じられたのは2011年3月のこと。

4千年前の遺跡。中国やエジプトに迫る古さです。
同市緑区の大膳野南貝塚で見つかったこの漆喰、
当初は細かく砕いた貝を水で練って敷き詰められたもの…とのことでした。
焼いていないのでは漆喰と呼べるのかどうか?

さて、「貝塚(かいづか)」はご存知ですよね?
海辺で生活していた古代人のゴミ捨て場です。

食用に採った貝の殻が大量に捨てられたところが、
現代になってゴミ捨て場遺跡になって現れたわけです。

…小学校の社会の授業で習いましたよね? 
焼き大あさり (grilled Japanese littleneck Manila clam)
焼き大あさり (grilled Japanese littleneck Manila clam) / norio_nomura


現在しっかりとした定義があるわけではないのですが

漆喰とは
 水で練られた消石灰(水酸化カルシウム)が
 炭酸ガス(CO2)と反応して硬化するもの
と考えられています。

実際に貝殻を焼けば酸化カルシウムとなります。
それが水と反応すれば立派に消石灰になるんです。
現在でも文化財の修復などに「貝灰」として用いられています。

昔は貝塚から出た貝の化石を焼いて石灰を作っていた…なんて話も
関東を中心に残っています。

数万年、時空を超えたリサイクル。

そう考えると、なかなかロマンあふれる素材ではないでしょうか?