漆喰は「石灰」と「麻すさ」と「海藻のり」、3つの素材からつくられます。
山を削り、畑で栽培し、海で採る。
そうやって集められた素材で作られた、日本のタカラの一つです。
…と、いつも説明していますね。
ところが、その原料となる素材がなかなか手に入らなくなっている現状。その要因は時代の変化、需要の低下、環境の変動、様々です。なので、日々色々な素材を探し回るのも、でんでん協会の活動の一つです。
さて、そんな素材探しの中で面白いモノもあるんです。
それがコレ。スタミナ補給にオススメの野菜、モロヘイヤ(Molokheiya, ملوخية)です。
画像:フリー素材写真FreePhotoより
モロヘイヤとは古代エジプト語のムルキアが語源だそうで、意味は「王様のもの」「王様の野菜」ということです。
ネバネバが身体に効く!! ということで、そのネバネバを漆喰に…?
…ハズレです。
モロヘイヤは、日本名でシマツナソ、縞綱麻というもので、コウマ(黄麻)とも呼ばれるイエロージュートの仲間なのです。
ジュートは麻すさの原料。ジュート原産国のバングラデシュなどでは、ジュートと同様に栽培され、その皮から繊維製品が作られています。コーヒー袋、南京袋などもそうですね。
Cool Green Coffee Bag / nalundgaard
漆喰にも、この繊維を加工し「すさ」にされたものが使われているワケです。
キレイでしょ?これが日本の伝統技術。
驚くべき事に南京豆(ピーナッツ)が輸入され始めた江戸時代には、すでに南京袋をリサイクルした「すさ」が使われ始めていたそうです。
だから輸入原料であっても、「日本の伝統」と呼んで良いと考えています。
それはそうと、「王様のもので作った漆喰」。
なかなか素敵な響きじゃないでしょうか?