天然と自然

2011/06/30

よもやま

t f B! P L

「天然」と「自然」

 

ほぼ同じ使い方をされる言葉ですが、本来の意味をあえて考えてみます。

現代日本語では文法や使い方が変わってきてはいますが、微妙に異なるものです。

「自然」の反対語は「人為」ですが「天然」の反対語は「人工」。

どちらも人の手が加わっていないことを表しますが、反対語を見る限りニュアンスが若干違います。

 

同じようには使えない言葉遣いもありますし、

 例) 天然ウナギ 自然ウナギ / 自然現象 天然現象

 

また、言葉の持つ役割で意味も変わってきます。

 例)自然の美しさ 天然の美しさ / 自然のめぐみ 天然のめぐみ

 

さらに厳密に云えば「人の手で植えられた森林」。

人の手の部分だけをみると自然/天然のものではありませんが、広義では「森林」は自然。

その森からとれた木材は天然/自然のものとして扱われています。

 

また、人の手で加工された木材

本来は天然/自然のものではなく、天然由来/自然由来と云うべきところです。

 

 

そこで便利な言葉が「自然素材」/「天然素材」という言葉です。

極力人の手が加わっていない…素材ということになります。

 

ちなみに現代の言葉遣いにかみ砕くならば

 

 「自然から持ってきたそのまま」を「天然モノといい

 

 それらを原材料に成分を変えることなく一次加工したものが

 自然素材/天然素材と呼ばれている…といったところでしょうか?

 

さて、その「素材」。どこまでを安全と考えるべきか?

それはまた後日考えてみようと思います。

 

 

 

なお、用例としては「自然素材」の方が多く使われていましたが、

20年ほど前から「天然素材」の用例が徐々に増えています。

吉本興業のおかげでしょうか(笑)

 

ちなみに“NATURAL”の訳としては「自然」が最も多いのですが、

逆に「天然」には“ECCENTRIC”(天然ボケ?)の意味も含まれているようです。