「天然」と「自然」
 
ほぼ同じ使い方をされる言葉ですが、本来の意味をあえて考えてみます。
現代日本語では文法や使い方が変わってきてはいますが、微妙に異なるものです。
「自然」の反対語は「人為」ですが「天然」の反対語は「人工」。
どちらも人の手が加わっていないことを表しますが、反対語を見る限りニュアンスが若干違います。
 
同じようには使えない言葉遣いもありますし、
 
また、言葉の持つ役割で意味も変わってきます。
例)自然の美しさ 天然の美しさ / 自然のめぐみ 天然のめぐみ
 
さらに厳密に云えば「人の手で植えられた森林」。
人の手の部分だけをみると自然/天然のものではありませんが、広義では「森林」は自然。
その森からとれた木材は天然/自然のものとして扱われています。
 
また、人の手で加工された木材
本来は天然/自然のものではなく、天然由来/自然由来と云うべきところです。
 
 
そこで便利な言葉が「自然素材」/「天然素材」という言葉です。
極力人の手が加わっていない…素材ということになります。
 
ちなみに現代の言葉遣いにかみ砕くならば
 
「自然から持ってきたそのまま」を「天然モノ」といい
 
それらを原材料に成分を変えることなく一次加工したものが
自然素材/天然素材と呼ばれている…といったところでしょうか?
 
さて、その「素材」。どこまでを安全と考えるべきか?
それはまた後日考えてみようと思います。
 
 
 
なお、用例としては「自然素材」の方が多く使われていましたが、
20年ほど前から「天然素材」の用例が徐々に増えています。
吉本興業のおかげでしょうか(笑)
 
ちなみに“NATURAL”の訳としては「自然」が最も多いのですが、
逆に「天然」には“ECCENTRIC”(天然ボケ?)の意味も含まれているようです。