台風シーズンはまだまだ。
二百十日、二百二十日を過ぎても、台風が続きます。
我が国では沖縄、九州、四国といった地域は台風銀座。まさに「台風シーズン」というコトバがおなじみの地域です。なので毎年といっていいほど被害を受けるわけですが…
だからこそ、甚大な被害を受ける場合を除いて、住まいは少しずつ傷み、少しずつ直していくのが当たり前であったんです。
そのため瓦や外壁には油を練り込んだ漆喰が使われることも多かったようです。
さらには激しい雨に見舞われることを想定した設計も。
台風に立ち向かう漆喰
我が国の建築の中でも、、台風に立ち向かうその代表格が「土佐漆喰」と「土佐漆喰の工法」。工程もカタチも独特のものです。意匠性だけでこんなカタチをしているわけではありません。雨が浸み込まないように分厚く塗られているだけでなく、横殴りの雨があたった時に壁を伝う雨水の影響を極力受けないように考えられています。
これ、すべて「水切り」のためなのです。
また、土佐漆喰でなくとも、こういった海鼠壁(なまこかべ)。
雨が直接降りかかったり、地面から跳ね返る雨の影響への対策なんです。
白い部分は漆喰ですが、平らな黒い部分は瓦。水を吸わない焼き物を貼り付けて建物の内部を守るという考え方です。現在の工法ではタイルの壁が同様のものですね。
「壁」の目的は住む人を守ること。中の家財を守ること。
だから雨から守るのは必然なんです。
しっかりと「生活」と「自然」を共生させながらも、住まいは私たちを守ってきたんですね。