娘師。 蔵を見るなら知っておきたい

2017/11/13

よもやま

t f B! P L
「娘師」というコトバ、ご存知ですか?
娘さんを商売にするような印象。だからといって、娘さんをダマしてナニするような商売ではありません。


娘師。現代では時代劇などで出て来るコトバなんです。



昔の盗賊は、土蔵破りを行う盗賊のことを「娘師(むすめし)」と呼んでいたのです。


で、娘師のあいだでは
 白い漆喰で仕上がった蔵を「色白娘」
 黒漆喰で仕上げられた蔵を「色黒娘」
と呼んだそうで…なかなか洒落が効いています。

さて、土蔵は現代の巨大金庫のようなもの。鉄筋コンクリート造が普及する昭和の時代までは、保管庫として金品が収められただけでなく、分厚い土壁で包まれた空間は温度変化も少なかったため、食品保管庫としても使われていました。

とにもかくにも大切なものを入れるのが蔵。そんな土蔵の中からモノを盗むには、並々ならぬ努力が必要だったんです。
  • カギをこじ開けるか?
  • 窓の格子を切り落として中に入るか?
  • 屋根瓦を下して天井から入るか?
  • 地面を掘ってトンネル?
  • そして・・・壁に穴を空けるか?
とにかく土蔵は頑丈に頑丈に造られていたものなんです。


そうでなくとも、土壁はご覧のとおり、こんなにしっかり小舞が編まれ、分厚く土で塗り込められていました。


その上からさらに漆喰でガッチリしっかり固められていましたね。


ある有名な時代劇では土壁をド~ンと力づくで壊すパワフルな忍者がいましたよね。
実際には土壁、大きな木槌を持ってきても、斧を持ってきても、そう簡単には壊せるものではありません。しかも壁の構造を知っていると…いやいや、無理でしょ?!といいたいのですが(笑)

土蔵についてもっと知りたい方は、絵本「どぞう」がオススメですね。
子どものココロで読んでみてくださいね。